循環器内科 概要

診療・各部門

はじめに

 最近の統計では、心臓病は我が国の死亡原因の第2位です。さらに国民医療費約30 兆円のうち、循環器病が占める割合は約6兆円(約20%)と最大です。このように、循環器病は我々の生命や健康および社会経済に大きな影響を与えています。そのため、これからも健全な国民生活を維持するために循環器病の発症抑制は大変重要な課題です。
 循環器病の多くは、いわゆる生活習慣病(高血圧症、脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症等)の合併症として発症します。死亡原因第1位の癌はいまだ発症予防が困難であるものの、生活習慣病は不適切な生活習慣(不適切な食生活、運動不足、喫煙等)の改善による予防が可能とされています。我々循環器内科は、循環器病の診断・治療はもちろん、生活習慣の改善指導や生活習慣病の適切な治療も行い、循環器病の予防・進行抑制にも努めています。

循環器内科の概要・特徴

 今年度、循環器内科は総勢9名で診療を行なっています。診療科としては中規模ながら、心臓超音波、心臓核医学、心臓・末梢血管の虚血、不整脈などの循環器各領域に対する専門医師を擁し、質の高い循環器診療を行っております。さらに検査や治療に際しては個々の患者さんの病気の重症度や年齢、体力、気持ちなども考慮に入れ、その患者さんにとって最もよいと思われる方法を選択しております。例えば、カテーテル治療など侵襲的な治療が必要な病態であっても、患者さん自身が薬物治療を希望する場合などは病態が許すかぎり薬物治療を選択しています。また、他の医療施設からご紹介された患者さんは、元の医療施設に戻ってもらってからのフォローも定期的にしっかり行っております。
 心臓の冠動脈カテーテル治療数は毎年300例を超え、兵庫県内でも上位の症例数を維持しております。さらに、手技による重大な合併症も毎年発症ゼロを維持し、ハイレベルなだけではなく、丁寧で安全なカテーテル治療を心掛けております。足の症状でお困りの患者さんには下肢動脈狭窄のカテーテル治療も積極的に行っております。特に足趾の壊疽・潰瘍といった重症の下肢血流障害に対してもカテーテル治療だけでなく、フットケアチームにてなるべく下肢切断を回避できるよう努力しております。近年高齢化に伴って心房細動などの不整脈も多くなりましたが、当科でも毎年100例以上の不整脈のアブレーション治療を行っております。

当科における診察の流れ

 心臓病は無症状のうちから早期に発見し、治療することが大事となります。また、年齢によるものかと考えていた息切れ・動悸などの症状が、実は心臓病によるものであるということもあります。当科外来では、胸の症状がある方はもちろん、心電図異常などの無症状の方や、さらに歩くと足が痛い・足が冷たいなど足の血流低下が疑われる患者さんなども広く受け入れ、丁寧な診察を心掛けています。
 症状の落ち着いている患者さんには、個々の症状・状態に合わせた外来検査を行います。その結果、心臓カテーテル検査などさらに詳しく調べる必要があれば、入院精査を勧めます。実際には、多くの患者さんが入院精査とならずに経過観察となります。また、入院精査の適応があっても、患者さんの状態・都合・気持ちなどで一旦経過観察となることもあります。
呼吸苦など症状の強い患者さんは、緊急検査を行い、適応があればそのまま入院治療となります。

お知らせ

2023/05/08 概要更新
2023/03/30 外来担当医表更新(2023/4/1より)


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