診療・各部門
概要
神戸中央病院 透析センターは、患者さん一人ひとりの症状に合わせた最善の診断・治療をトータルに提供しています。
腎臓病の治療とは
腎臓病の治療は3つの病期に分かれます。
腎不全の治療法
患者さんの状態、合併症などにより時期は異なりますが、一般的に腎機能が5~10%(血清クレアチニン値が8mg/dl以上)になると、腎臓の働きを人工的に行う透析療法が必要になります。
透析療法
透析とは、血液中の老廃物や余分な水分をろ過し、血液をきれいにすることで血液浄化法とも呼ばれます。これには「血液透析(HD)」と「腹膜透析(CAPD/APD)があり、医療保険制度を利用することができます。
腎移植
他の人の腎臓をもらい、体内に移植する方法です。日本での移植は現在のところ限られています。当院では、腎移植を希望される患者様には、関連施設と連携し、移植コーディネータへの登録を紹介させて頂いています。
透析センターの特色
腎臓医が透析医を兼務
腎臓病の治療法について、専門医が詳しくご指導いたします。早期の「診断」の時点から、様々な合併症の出現する「末期腎不全期」そして「透析期」と、一人の患者さんの腎臓病をトータルに把握し、それぞれの病期に応じた最善の治療法を提供します。
透析センターの概要
透析センターは、令和2年度として74名の通院患者数(腹膜透析併用者は含まず)治療の実績があります。
当センターの特色は、
1.総合病院の一部門として、外来での維持血液透析を行っている。
2.腹膜透析の導入を積極的に行っている。
になります。
◎血液透析のベッド数は36床で、月曜日から土曜日まで2交代制で治療を行っています。
社会の高齢化に伴い、心臓の病気をはじめとした内科疾患以外にも、消化器を含めた癌疾患、骨や関節の整形外科的疾患を併せ持つ患者さんの数も多く、総合病院の一部門としての透析センターは、全身的な医療管理を受けやすい施設としても評価を得ています。
◎腹膜透析の導入目的でのご紹介も随時受け付けています。
腹膜透析外来は第1.3週の木曜日で、患者さんの診察は通常月に一度です。
腹膜透析を積極的に進める理由は、何よりも、完全な社会復帰が可能になることです。腎臓の働きが残っている患者さんには、夜間だけ腹膜透析を行うAPD療法を選んでいただきます。昼間、透析から解放される分、社会復帰が容易になります。
また、腹膜透析は、何らかの理由で血液透析が出来なくなった患者さんの透析を続ける方法としても利用されます。高齢者の増加に伴い、今後は血液透析のための通院が困難な老人の在宅治療の手段としても、腹膜透析はより重要性を増すものと予想されます。
腹膜透析についてご相談があればいつでもご連絡ください。
フットケアへの取り組み
透析患者の高齢化と糖尿病により、透析患者の高齢化と糖尿病により腎不全患者の増加に伴い、足病変によるトラブルが増えています。例えば、糖尿病など動脈硬化が進むと、足への血流不良が起こり冷えやしびれ、痛みが現れます。小さな傷ができた場合でも、悪化して傷ができた大きくなり潰瘍形成、壊死、最終的には下肢切断に至る場合もあります。
また、糖尿病性神経障害があり感覚が鈍くなっている方、視力障害がある方は特に傷をつくりやすく、基礎疾患によらず血流不良を有する方は、血糖コントロール不良、靴擦れ、深爪などが原因となり、急速に悪化して切断に至ることがあります。
その為当院では、フットケア委員会を立上げ、月に一度、透析患者さんに対して「フットチェックの日」を設けています。
そこで定期的な足の観察を行うことで、病変を見逃さず、早期発見できるように対応しています。フットチェック足背動脈触知、足の冷感、色、傷、変形、水虫、ウオノメ、タコがないかなどを患者さん全員の足に直接触れてチェックを行います。異常が発見された場合は、直ちに医師へ報告し、皮膚科や循環器内科の受診、看護専門の外来でのフォローなどの対応を行なっています。
担当医プロフィール
診療部長 院長補佐
足立 陽子(アダチ ヨウコ)
京都府立医科大学 平成4年卒業
◎資格
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本透析医学会専門医・指導医
日本腹膜透析学会 評議員
日本血液学会認定血液専門医・指導医
日本血液学会近畿地区評議員
日本臨床腫瘍学会暫定指導医
ICD認定医
京都府立医科大学臨床准教授
兵庫県透析医会 幹事
兵庫県CKD対策・連携協議会 世話人
◎得意分野
血液免疫疾患、腎疾患、人工透析
医長
亀﨑 通嗣(カメザキ ミチツグ)
弘前大学 平成21年卒業
◎資格
医学博士
日本内科学会認定内科医
日本腎臓学会専門医
日本腎臓学会指導医
日本透析医学会専門医
日本高血圧学会専門医
◎得意分野
糸球体腎炎、膠原病、急性血液浄化、血漿交換
・セカンドオピニオン・予防接種外来・専門外来・各部門・関連施設・看護部・薬剤部
・健康管理センター・健康管理センター(ハーバーランド)・看護学校・介護老人保健施設