病院長挨拶

 令和6年度のご挨拶を申し上げます。

昨年5月にコロナ禍3年半でようやくウイルスの扱いが2類から5類になり、コロナウイルスの扱いもインフルエンザ並みとなりました。これにより、一応、体制としてもポストコロナの時代に入ったといえるのではないかと思います。 令和6年度は、ポストコロナ時代に入り、当院にとっても今後の方向性を定める極めて重要な節目の年となります。病院の体制としても、コロナ禍前後でのとりまく社会の変容に加えて、本年度から施行される「医師の働き方改革」に対応する必要があります。当院においては、地域医療支援病院としてのミッション(救急医療、紹介・逆紹介、教育研修)を基軸に医療を取り巻く社会の状況を加味して具体的な行動に移してゆく必要があると考えています。

病院長
病院長 松本圭吾

当院を取り巻く状況の変化への対処として

1.本年度からの「医師の働き方改革」の施行については、時間外労働の上限遵守とともに看護師による特定行為を含めたタスク・シフト/シェアによる業務の効率化とを進めてゆきたいと考えております。

2.ポストコロナの時代においても、コロナ感染の再燃や別の新興感染症への備えは必要と考えています。もとより感染対策・医療安全はその病院の機能を支える基盤であり、管理職直轄の部署として体制を強化してゆきます。

3.病院の健全経営は良質な医療を支える柱と考えています。外来診療については、地域連携を強化し、地域からの紹介患者の断りを低減し、放射線検査・外来化学療法・外来透析など検査・治療にかかわる外来を強化する。また、附属施設である健康管理センター、介護老人保健施設、訪問看護ステーションについても疾病予防や医療介護連携の推進の立場から事業展開を強化する。救急医療は当院の事業の重要な柱の一つであり、特に注力すべき部門ですが、地域の高齢化とコロナ禍により大きく状況は変容してきており、救急医療の機能分化や治療後の退院をスムーズにするための地域医療連携の円滑化を計ってゆきたいと考えています。

4.施設については、外壁、内装、エネルギー関連施設などの老朽化が目立ってきています。電子カルテ、院内ネットワークの更新は昨年度行いましたが、防災対策に重要な自家発電などの基盤設備の整備を順次行ってゆく予定です。

5.教育・研修については、医師、看護師、コメディカルを含めた教育の仕組みを強化することで、とくに若手のスタッフが成長を実感できる施設にしたいと思っています。また、医師、看護師を始めとした多くの職種で実習、研修を受け入れることで教育病院としての実績を作りつつ人材確保につなげたいと思っています。

地域医療の在り方は地域の人口構成を含めた住まい方に大きく左右され、地域の高齢化に伴い、生活習慣病による疾患や整形外科的疾患に対する医療ニーズは高止まりすると推計されています。これらの推計と現実の地域の動向を踏まえて診療体制を整備してゆく必要があります。地域の足元を見ると、北区を貫く神戸電鉄の主要駅を中心とした再開発が進むことで、北区本区地域の人口の転入から転出を差し引いた社会増減数がプラスに転じており、地域の活性化が期待できます。 変化してゆく医療環境の中で、当院への地域からのニーズに細やかに対応してまいりたいと考えています。

 新年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。

令和6年4月

独立行政法人 地域医療機能推進機構(JCHO)神戸中央病院
病院長 松本 圭吾

セカンドオピニオン予防接種外来専門外来各部門・関連施設看護部薬剤部
健康管理センター健康管理センター(ハーバーランド)介護老人保健施設