診療・各部門
慢性腎臓病の減塩教育入院
生活習慣病から伸展してくる糖尿病性腎症や高血圧性腎硬化症による慢性腎臓病に関しては根本的な治療はありませんが、蛋白尿を減らすことでその伸展を遅らすことができます。その蛋白尿は薬剤の調整よりも減塩によって大きく改善すると分かっています。このため、当院の教育入院では減塩食を1週間食して頂き、入院日と退院日に実際に尿蛋白が大幅に減少することを体感して頂いております。また、入院日と退院日で味覚検査をしており、塩味が分かるようになり、退院後も減塩を続ける方が増えています。入院中には減塩食を続けられるように看護師・栄養士ともども生活指導含めサポートさせて頂いております。また、主治医による腎臓病講義、薬剤調整も行わせて頂いております。
腹膜透析、血液透析
腎機能障害が徐々に進行し、腎代替療法を要する腎不全期に至った場合、尿量を維持することでき、寿命をより延ばせる可能性のある腹膜透析を当科では勧めておりますが、患者様の御意向を踏まえ、血液透析や腎移植などの選択肢も同時に説明し、選択頂いております。当科での特色は腎臓内科医自ら、内シャント作成術、長期透析用カテーテル留置、腹膜透析関連手術を行っている点にあります。
また、当科での年間透析導入数は約40名(血液透析30~40名、腹膜透析 数名)であり、現在の維持透析患者数は約90名(血液透析80名、腹膜透析10名)です。また、他院の合併症入院の患者様を10名ほど受け入れている状況にあります。
SDM外来について
当科では患者様やご家族様に対して腎代替療法を説明し、患者様の生活状況や個人的な信念に最も適した治療法を選択できるよう支援しています。腎代替療法としては血液透析、腹膜透析、腎移植、透析非導入の選択がありますが、早期から説明を聞くことで今後の治療選択の場面においての心構えや家庭や職場での役割を続けるための準備ができます。
※SDM(Shared Decision Making)
=医療行為の不確実性(どの治療法が患者様にとって最も良いのかが決まってないこと)に対して、患者様の生き甲斐や生活環境に照らしながら、医療者の知識と経験を元に、医療者と患者様が協働で最善の治療方針を決定すること。
<SDM外来>
日時:第1、3木曜日 13:00~、15:00~
SDM外来では
・日本腎臓学会主催 「腎不全 治療選択とその実際」
・腎臓病SDM推進協会主催 「腎臓病 あなたに合った治療法を選ぶために」
上記2つの資料に沿って、透析療法や腎移植について説明しています。
・セカンドオピニオン・予防接種外来・専門外来・各部門・関連施設・看護部・訪問看護ステーション
・薬剤部・健康管理センター・健康管理センター(ハーバーランド)・看護学校・介護老人保健施設